伝説のTVドラマ『ハローCQ』コーナー

ここをクリックすると「ハローCQ]が聞けます

「ハローCQ」

 作詞 やなせたかし、作曲 いずみたく、歌 いしだあゆみ


1.真っ赤に燃えてる太陽に 若い心が呼びかける
空の仲間は知っている この喜びもうれしさも
ハローハローCQ ハローハローCQ
だれだってだれだって一人じゃないのさ
だれだってだれだって一人じゃないのさ

2.流れる雲には夢がある せつなく燃えるあこがれを
空の仲間は知っている この喜びもかなしみも
ハローハローCQ ハローハローCQ
だれだってだれだって一人じゃないのさ
だれだってだれだって一人じゃないのさ

「ハローCQ」は、日本科学技術振興財団のテレビ局として
1964年4月12日に誕生した東京12チャンネル(現・テレビ東京)の開局記念作品です。
制作は教育映画の老舗・岩波映画製作所でした。
監督は羽仁進、助監督は山本晋也という豪華版!!
キャストには蜷川幸雄(あの舞台演出家として有名な蜷川さんですよ!)を始め、
落語家の柳家小せんやフォーク歌手の荒木一郎などが出演していました。
このページで流れているドラマの主題歌『ハローCQ』は、
作詞やなせたかし、作曲いずみたく、歌いしだあゆみというしっかりしたものです。

主人公の中学生がふとしたきっかけでアマチュア無線を知り、
様々なOMさんに助けられながら開局・成長していくというストーリーですが、
それを柱に当時の中学生の生活を描くという非常にまじめな内容でした。
そのためにスクーターに乗ったお坊さん(柳家小せん)が、
主人公と絡み合いながらちょっとした笑いを誘う構成になっていました。
ドラマの中では当時の秋葉原へ部品を買いに行くシーンや
アルマイトの洗面器を使ってトップロードアンテナを立てるところなども登場し、
小道具でアンテナハンドブック等の書籍類もふんだんに登場しました。
ここまでアマチュア無線を正面からとらえたドラマはたぶん後にも先にも
これだけだったような気がします。
私自身は、この「ハローCQ」やこの少し前に放送されていた『少年ジェット』の
「こちらジェット、青梅街道追跡中」などの無線交信にとても影響を受け
いつかアマチュア無線をやってみたいなぁと思うきっかけになった思い出のドラマです。

このドラマは、テレビ探偵団や懐かしのテレビ番組などで一度も紹介されたことがないので
存在そのものがもうないのかと思っていましたがあるホームページ(*注)に、
現在も岩波映画に下の3話分
(第1話「コロンブスと跳び箱」・第5話「突然消失現象」・第8話「ナポレオン出現す」)が、
16mmフィルムの形で保存されていると書かれていました。

(*注   http://www.geocities.co.jp/Technopolis/5973/seisaku.htmlより以下の文を引用)
岩波映画は1998年に倒産しました。その後同社のフィルムは管財人の管理下にありましたが、2000年に日立製作所デジタルメディアグループが、岩波映画製作所の残した数多くの貴重な映像や写真が散逸することを惜しみ、保管していた映像の管理を受け継ぎ新たに「岩波映画ライブラリー」を開設しました。ただし『ハロー!CQ』がライブラリーで公開される見込みがあるかどうかは不明です)・・・以上。
テレビ映画「ハローCQ」のことが意外なところからわかり
ました。片づけをしていた戸棚の中に敷いてあった新聞
紙がなんと昭和39年4月15日(水)のものでそこにテレ
ビ番組表がありました。
そして、思わず東京12チャンネルを見ると夜7時30分に
写真のように「ハローCQ」が載っていました。
この日が開局してから4日目、新番組第1回目の放送と
言うことで新聞の番組紹介欄に次のように紹介されてい
ました。

いま日本のアマチュア無線家の数は約五万人で、その
大部分が学生を中心とした若い世代の人だと言われて
いる。このテレビ映画は、時代のマスコットである無線
機を使って、からだの悪い友だちを助けたり、悪人を捕
らえたり、大活躍する七人の少年たちの物語。演出は、
「教室の子どもたち」「不良少女」、「波と彼女」で注目を
集めた羽仁進で、出演は荒木一郎、後藤栄子、桑山正
一ほか。

第1回は、「コロンブスと跳び箱」という題でした。
ちなみにこの時間帯の裏番組は、日テレが底抜け脱線
ゲーム、TBSが「アラカザンの魔法」、フジが「マンモス
家族」、NETが「戦場」、NHK総合が「生活の知恵」、
NHK教育が「ピアノのおけいこ」となっていました。

ハローCQ 全26話分の詳細<とりあえずわかったところまで>・・・資料 朝日・読売新聞番組欄
監修 羽仁進    下表の空欄は不明   放送は全編毎週水曜日19:30−20:00

◎は、現存が確認されたフィルム(H22年3月現在、6本の現存が確認されています)

放送日 タイトル 出演者 監督・演出 脚本
第 1話 1964.04.15 ◎コロンブスと跳び箱 伊藤敏孝、荒木一郎、柳家小せん、蜷川幸雄 羽仁進 やなせたかし
第 2話 1964.04.22 二階のシューベルト 伊藤敏孝、桑山正一、瀬能礼子 やなせたかし
第 3話 1964.04.29 決戦の時来たる 伊藤敏孝、桑山正一、瀬能礼子 岩間芳樹
第 4話 1964.05.06 ◎ジャンク屋とあいつ 伊藤敏孝、桑山正一、瀬能礼子、柳家小せん 羽仁進 長沢タケシ
第 5話 1964.05.13 ◎突然消失現象 伊藤敏孝、桑山正一、荒木一郎、蜷川幸雄 藤久真彦 やなせたかし
第 6話 1964.05.20 お父さんのタキシード 伊藤敏孝 やなせたかし
第 7話 1964.05.27 団地の怪人 伊藤敏孝、桑山正一、瀬能礼子
第 8話 1964.06.03 ◎ナポレオン出現す 伊藤敏孝、桑山正一、瀬能礼子、柳家小せん
第 9話 1964.06.10 ◎モナリザの雨 伊藤敏孝、瀬能礼子、後藤栄子、柳家小せん 羽仁進 やなせたかし
第10話 1964.06.17 ◎スピード狂の蝸牛 伊藤敏孝、瀬能礼子、柳家小せん 羽仁進 やなせたかし
第11話 1964.06.24 勲八等と太陽黒点 伊藤敏孝
第12話 1964.07.01 勇敢な手長猿 前編 伊藤敏孝、瀬能礼子、荒木一郎、後藤栄子
第13話 1964.07.08 勇敢な手長猿 後編 伊藤敏孝、瀬能礼子、荒木一郎、後藤栄子
第14話 1964.07.15 見知らぬ仲間のために 伊藤敏孝、桑山正一、瀬能礼子
第15話 1964.07.22 ヤスベエの星 伊藤敏孝、桑山正一、瀬能礼子、後藤栄子
第16話 1964.07.29 泳げなかったトビウオ 伊藤敏孝
第17話 1964.08.05 土曜日の幽霊 伊藤敏孝、瀬能礼子、荒木一郎、後藤栄子 やなせたかし
第18話 1964.08.12 サブちゃんと狐 伊藤敏孝、額村喜美子、後藤栄子、蜷川幸雄 森川栄太郎 やなせたかし
第19話 1964.08.19 太陽の島へ 伊藤敏孝、額村喜美子、後藤栄子
第20話 1964.08.26 サムまた逢う日まで 伊藤敏孝、桑山正一、額村喜美子
第21話 1964.09.02 破られた結末 伊藤敏孝、額村喜美子、後藤栄子
第22話 1964.09.09 水晶とカンニング 伊藤敏孝 やなせたかし
第23話 1964.09.16 低気圧とコスモス 伊藤敏孝、桑山正一、後藤栄子
第24話 1964.09.23 健の日記 伊藤敏孝、市川和子、桑山正一、瀬能礼子 大木国夫
第25話 1964.09.30 奇妙な来訪者 伊藤敏孝、桑山正一、瀬能礼子、後藤栄子
第26話 1964.10.07 青春のエアポケット 伊藤敏孝

「ハローCQ」6話分のあらすじがわかりました。

第1話 「コロンブスと跳び箱」
新学期が始まり鈴木健(伊藤敏孝)たち中学二年生の仲間は、変化のない生活に不満を持っていたが、先輩の吉原
(荒木一郎)と、会い彼がハムを通じて世界の人たちと話をし青春の夢を語るのを聞かされる。それに同級生の堤君も
ハムであることを知りハムへのあこがれが日一日と募っていく。
第5話 「突然消失現象」  監修 羽仁進 脚本 やなせたかし 監督 藤久真彦
ハムになろうと決心した健(伊藤敏孝)は、新聞配達を始めようやく部品が買える見通しがついた。級友の純子や父の
源三(桑山正一)もそんな健を応援してくれたが部品を買いに出かけた健は、不良学生に襲われせっかく貯めた金を
奪われてしまった。健はしょげきったが数日して健のもとに続々部品が届けられた。先輩の吉原(荒木一郎)が、しょげ
る健をみかね、電波を通じてハムたちに援助を呼びかけたのだ。
第17話 「土曜日の幽霊」  脚本 やなせたかし
健(伊藤敏孝)は、夏休みを利用して先輩吉原(荒木一郎)、級友純子(後藤栄子)、姉康子(額村喜美子)らとキャンプ
に行き不思議な出来事に出会った。純子はテントの近くで雪男を見たと言い出すし、テントの中のレシーバーと無線の
ダイヤルには泥がついている。そして、村の人は、土曜日になるとテントを張っている川原付近に幽霊が出るという噂
を立てた。翌日健らが幽霊狩りに出かけると・・・。愉快な幽霊騒動を描く。
第18話 「サブちゃんと狐」  監修 羽仁進 脚本 やなせたかし 監督 森川栄太郎
鈴木健(伊藤敏孝)たちハム仲間の協力を得てサブちゃんこと吉田三郎右衛門(蜷川幸雄)は、自転車で東北の無銭
旅行に出発する。自転車改良の資料を集めるためだ。そして、夜、自転車で森の中を通りかかったサブちゃんは、ひょ
んなことから自殺未遂の女(小林文江)を救うことになる・・・。第18回の「ハローCQ」は、自殺未遂の女をキツネと間
違えたサブちゃんの夏の武勇伝だ。
第22話 「水晶とカンニング」  脚本 やなせたかし
美少年でソツのない三田勝(関口守一)がクラスの仲間を誘い、「試験制度へのレジスタンス」という口実のもとにカン
ニング計画を立てた。「ハローCQ」今夜放送の分は、この計画を知って決然かれらをたしなめにかかった鈴木健(伊
藤敏孝)の正義感を描いていく。
2003年11月13日、21日に近畿大学四谷ギャラリーにて「岩波映画を見る会」の一環で「知られざる羽仁進監督の
作品を見る会」が開かれました。その中で、「ハローCQ」が上映されました。下のパンフレットは、その会で配布され
たパンフレットの一部です。当日、その会に参加した八王子の「かとう」さんから頂きました。

なお、この会に参加した八王子の「かとう」さんの取られたメモもこれから「ハローCQ」を調べていく上で参考になると
思いましたので掲載させていただきました。かとうさん、ありがとうございます。
メモ:
*出演者の中に北区昭和町ジュニアリーダークラブの名が出てきます。
*主人公の通う学校は北区・森上?・中学校
*浦上医院の看板 *駅前のシーンで「東十条北口通り」の看板
*主人公はJA1UNG、従事者免許証に昭和25年生まれとある。
*荒木一郎はJA1GDG。小せんはJA1ABA(呆れた坊主頭)。
*コールは実際の局の承諾を得て使用しているのではと思います。
*荒木のシャックにJA1ZEのQSLカード

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